店舗に置いている革の形Vo.1
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オーナーの洋一郎です。
いつもKAWAMURA LEATHERをご利用頂いて有難うございます。
今日は改めて店頭で革の小売をさせて頂いてる事についてご説明させて頂ければと思います。
店舗には牛一頭を使った丸革や、半裁、ショルダー、ベンズ(お尻)と様々な形の商品があります。
大きいものからすると半裁(凡そ250ds以上)、丸革(凡そ200ds以上)、ショルダー(凡そ120ds以上)、
ベンズ(凡そ100ds)の順番になります。
詳しく二回にわけて一つずつ説明していきたいと思います。
⇑半裁
これは牛一頭を背中の背骨部分を半分にバサーっと切った形です。
いわゆるアメリカ式方法で鞣された形の商品です。
日本も戦後アメリカ式の鞣し技術が流れて来たので日本の革も半裁が大半です。
メリットは大きさ!首やお腹の部分もあり一枚が大きいです。お腹のダキ(お乳)の部分や肩の部分、
お尻の部分で繊維の細かさが違うので強度が違います。特性によって使いこなせればよいですね!
大半のタンナーさんはまず丸革で毛抜き等の作業をした後に背中でバスっと半分に分けて鞣します。
この工程は体力的にはとてもしんどいと思います。何故なら重量30キロとかは余裕で超えますからね。
半裁は現在アメリカ、中南米、日本、イタリアでも一部、その他ユーロで行われてて主流のやり方です。
豆知識なんですが、牛の寝方って知ってますか?
牛は下半身が横になって上半身が真っ直ぐに寝ます。つまり革でいう半裁の
どちらかが必ず下になってます。
寒いと自分の糞の上で温かいので寝たりします。しかし結果的には糞の上で寝続けると皮膚が当然痛む為
革にとってはよくないです。上記の通り半裁のうち半分は品質がよくない場合も
パッカーさんによってはあります。
この傷を我が業界では[くされ]と呼んでいます。
現場では、「このロッドはくされ多かったなー」とかそんな会話があったりします。
⇑丸革 コブ牛
こんな背中に丸の穴が空いてる革ありませんか?これは牛の丸革です。
この穴は何かと言うとコブのあった場所で、平面にならないので毛抜き後鞣す前にカットしちゃってます。
そもそもコブ牛と普通の牛との違いというと、コブ牛は耐暑性があって熱帯性の病気や害虫にも強いです。
その特性から緯度でいうと赤道に近い国に生息しています。具体的には中南米、インド、
東南アジア、バングラデシュ等。
鞣しの産地として当然インド、バングラデシュ、中南米等もあるので、
そこから来る原皮はコブの穴があると思ってください。また、インド系は特に牛は食用でなく
神さまだったりします。
丸革は半裁を使い慣れていれば、使い勝手は問題ないと思います!
メリットは安価であること、効率がよいこと(200dsくらい)。しかし、
一方では牛自体小さいため厚みがとれません。
ですので、厚みを取りたい場合(1.5mm up)は難しいかもしれません。
我が店舗では扱ってませんが普通の牛の丸革も有ります。これは主に
カーシートや家具用に使われています。
当然ご想像の通りソファ等になるとより大きい面積が一つのパーツに必要になるので丸革があります。
これは一般の方ですと大きすぎて使いこなせないと思いますので、工場でしかみないですね。
次回に続きます!