KAWAMURA LEATHER

2021.08.12

カテゴリ:
お知らせ
レザー

「牛白革」の染色、コバ処理、エイジング検証ブログ!

皆様、初めまして。

2月よりKAWAMURA LEATHERで勤務しております森と申します。

 

今後もこちらのブログにてバンバン情報発信させていただきたいと思いますので

よろしくお願いいたします(^^)/

 

では本題、今回ご紹介する革は「牛白革」です。

新しく「A4サイズ ,と A3サイズ」が出ましたので改めてご紹介します!

■「牛白革」とは・・・

タンニン鞣しでイタリアンレザー、Wショルダーの革が得意なKAWAMURA LEATHERでは

あまりなじみのない【日本製】で【半裁】、【合成タンニン】で作られています。

※合成タンニン・・・戦時中の軍事需要で植物タンニンが入手しづらくなった際に代替用に開発された

          鞣し剤。

 

植物タンニン剤の代用品でなめしたとは言っても、コバ磨きやウェットフォーミング、染色も可能な素材で

タンニン革と同じように加工できます。

特徴的なのは「ハリ感」で硬めの仕上げとなっているためしっかりとした作りのアイテムにも

おススメです!

 

 

■“顔料なし”の白い革のすごさ!

まず、「タンニン革のように扱えて、顔料を使用せずに白い革である」というのが

なかなか、スゴイことなのでその説明から。

 

まず「染料」と「顔料」の違いをざっくり分かりやすご案内!

 

染料・・・粒子が細かく革の繊維内部まで浸透し革本来の表情をそのままに発色。

ロットによる色ブレが起きやすい。

顔料・・・染料に比べ、粒子が大きく革の表面に留まる為、小傷など隠すことができる。

ロットによる色ブレが起きにくい。

 

 

普段製品などで目にする「白い革」はそのほとんどが顔料で仕上げされています。

わかりやすく言うと、「革の上に白い塗膜が乗ってますよ!」ということです。

同時に多少の傷や地の色むらなども隠せちゃうのも顔料を使うメリットです。

 

「じゃー、染料で白く染めちゃえばいいじゃん!」とむかしの私も思っていましたが。。。

 

白い染料は存在しない!!!(‘Д’)

 

始めて聞いたときはびっくりでしたが聞いて納得!

粒子の細かいものが「染料」として革の内部まで浸透して発色するわけですが

【白】という色は大きな粒子でないと白として発色しないんですね!

大きな粒子=顔料となるわけです。

 

 

 

■顔料を使っていない「牛白革」はなぜ白いのか。

理由はシンプルで合成タンニンの中でも「ホワイトタンニン」という鞣し剤で

つくられているため真っ白な純白となっているわけです。

 

 

 

■植物タンニン鞣しとの違い

一番の違いは「エイジングの仕方」かなと思います!

色が濃くなり、タンニンが酸化することによって現れる【赤み】の代わりに

「牛白革」の場合はうっすらとクリーム色(黄色味が増す)に変わっていきます!

 

 

 

 

■《淡く》染められる革

先ほどお伝えした染色もできる点ですが、一般的なタンローと呼ばれる生成りの革と

違うのが《淡い色》での染色も可能という点です!

生成りの革だと淡い染料(原液を薄めた色)と地の色が混ざり綺麗な淡い色(薄ピンクなど)が

発色しにくい傾向がありましたが、真っ白なこちらの革は取り皿に作った染料と同じ色で染色が

可能です。

 

 

■刻印、コバ処理はどうなのか。

植物タンニン革と同じく刻印もくっきり綺麗に入ります。

 

 

コバ処理も同様にヘリ落とし、コバ磨きも可能です。

※整えるときに紙やすりを使用する方は紙やすりの色がコバにつくので注意が必要です!

■牛白革の取り扱い注意点!

ただただ、真っ白な革なので汚れやすいです!

仕立ての最中などは作業台の汚れや、手垢などに注意が必要です!!

※ゴム板やカット台の上にコピー用紙など敷いておくと汚れずにできました。

 

 

 

■「牛白革」で作ってみた!!

マジック編みブレスレット

 

ブックカバー

 

 

 

 

【おまけ】汚れがついてしまったら・・・

真っ白な状態で使用し続けるのはなかなか大変。。

仕立て前に仕上げ剤などで少しコーティングしておくのもおススメです。

 

ただ、どうしても汚れがついて気になる。。。。という方は、

思い切って染料、顔料で遊んじゃいましょう!!

100均で売っているアクリル絵の具を水で1:1くらいに薄めて、歯ブラシやスプーンで

「ピャッ、ピャッ」とやれば、まさに1点もの( *´艸`)

 

いかがでしたか。「牛白革」の可能性伝わりましたでしょうか。

まずは、A4カット革からお試ししてみてくださいね!

A4カットレザー『牛白革』

A3カットレザー『牛白革』

一枚革はこちら↓↓↓

『牛白革』

 

以上、「牛白革」のご案内でした。

 

RELATED POST

関連記事