KAWAMURA LEATHER

2021.06.08

カテゴリ:
レザー

『REVERSO / リベルソ』と『NEBRASKA / ネブラスカ』の違いについて

こんにちは、iso(いそ)です。

 

最近4色展開から9色展開にパワーアップした『REVERSO / リベルソ』のBlog 3本立ての3本目になります。

過去の2本はこちら↓↓↓

廃盤の危機から復活を目指す『REVERSO / リベルソ』の紹介

リバースレザー『REVERSO / リベルソ』の銀面の状態はこんな感じ

 

で、

最終回となる今回は『NEBRASKA / ネブラスカ』『REVERSO / リベルソ』の違いについて書かせていただきます。

どちらもLo Stivale社が作っている革で、シボのある革と言うことで「同じような革」「似た革」「どう違うの?」という印象を持たれている方もいると思うので、「いや、全然別物だから!」というポジショントークをさせていただきます (^ ^)

『REVERSO / リベルソ』に興味を持ってもらってる方はもちろん、『NEBRASKA / ネブラスカ』を使われてる方や革が大好きな方にも読んでいただける内容になるよう頑張ります!

以下の順番で書いて行きます。

① 厚みの違いについて

② 裏処理のあり/なし

③ プレスをしたことによる違い

④ 使用している原皮のランクの違い

⑤ 単価の違い

⑥ 面積の印字の場所の違い

 

 

厚みの違いについて

『NEBRASKA / ネブラスカ』の厚みが2.0〜2.2mmなのに対して、『REVERSO / リベルソ』の厚みは1.6〜1.8mmに設定しています。 厚みに関しては、こちらで指定をしてLo Stivale社がその通りに作ってくれています。

『REVERSO / リベルソ』は前々回でも説明させていただいていますが、床面を表として使用していただくことを想定した革になります。 お好みでどちらを表として使っていただいてもいいのですが、漉き加工をする際に、銀面もしくは特殊な処理をした床面のどちらかを落とすことになります。 これって普通に勿体ないですよね。 なので、予め少し薄く設定しておくことで鞄でも使えるし、小物でもギリギリ使ってもらえそうかな(パーツによってはね)という厚みに設定しています。

一方『NEBRASKA / ネブラスカ』は、2.0〜2.2mmで、『REVERSO / リベルソ』と比べるとふっくらと肉厚な印象を持ってもらえると思っています。 作りたい作品に合わせて、元厚のまま使うもよし、好みの厚みに漉いてもらうもよし、というのが2.0〜2.2mm厚の考え方ですね。

必要に応じて漉くことを前提とした厚み(2.0〜2.2mm)か、なるべく漉かずに幅広く使ってもらえるようにと設定した厚み(1.6〜1.8mm)かの違いですね。

 

裏処理のあり/なし

前述の通り『REVERSO / リベルソ』は特殊な裏処理を施すことで床面を表として使えるように仕立てられている革です。 要は“普通の裏処理とはワケが違うんだよ”ということです。 ただ、前回のBlogにも書かせていただいたのですが、ほとんどの作り手さんが銀面を表として使われているケースが多いようです。 なので、ここの項目では“リベルソは普通の裏処理をしている革”ということで説明させていただきます。 頑張ってニュアンスで理解してくださいね。(頭で考えずに感じてください笑)

『NEBRASKA / ネブラスカ』は裏処理をしていません。 なので、床面は少し毛羽立っているイメージです。 バサバサとかまではいかない程度です。(フィーリングですよ)

一方で、『REVERSO / リベルソ』はバッチバチに裏処理されているので、ツルツルテカテカ(明日も晴れるかな〜♪)な感じです。 で、裏処理ってザックリ言うと、床面に裏処理剤を吹き付けて、機械で革をプレスしてツルツルの面を作っているのですが、革が結構な圧力でプレスされるのと、吹きつけた裏処理財が塗膜を貼るイメージになる(あくまでもイメージね)ので、革に張りとコシが出ます。

なので、厚みの数値こそ違いますが、革を触った時の“しっかり感”はどちらも感じてもらえると思います。 『NEBRASKA / ネブラスカ』は肉厚なしっかり感。 『REVERSO / リベルソ』は線維の詰まり具合からくるしっかり感。 って感じですね。

 

プレスをしたことによる違い

裏処理の工程で革をプレスするのですが、このプレスによって銀面の表情にも違いが出ます。 裏処理をしていな『NEBRASKA / ネブラスカ』は、基本的にはややマットな質感で、シボの一つ一つが丸みを帯びたドーム状の形状になっています。(ここもフィーリングですよ!)

一方で、『REVERSO / リベルソ』は、プレスされたことで少し艶感が出ます。 もともとはネブラスカと同じドーム状のシボなのですが、プレスされたことでシボが台形のような形になり、天面ができたことで光の反射が起こりやすくなって、艶感として感じられるんだと思います。 あとは、プレスによって革に含まれているオイルが上がってきているのもあると思います。(もうフィーリングで逃げ切るしかない!)

細かく書きすぎて「誰が知りたいんだよ!」って自分に突っ込みながら書いてます f^_^;

 

使用している原皮のランクの違い

何度も言いますが、『REVERSO / リベルソ』は床面を表として使えるように仕立てた革です。 これは銀面の状態が悪くて、「とてもじゃないけど『BULGARO / ブルガロ』や『NEBRASKA / ネブラスカ』には回せないな」と早い段階で見切りをつけられた革を“銀面で評価が決まる競技”から加工によって別の競技に転向させることで再生させた革になります。 今時の言葉で言うなら“アップサイクリングな革”と言えると思います。

これは私の推測ですが、綺麗な原皮は『BULGARO / ブルガロ』に使われていて、同等もしくは少し劣る程度の原皮は『NEBRASKA / ネブラスカ』に。 そこに入れなかった原皮が『TWIST / ツイスト』『REVERSO / リベルソ』に使われていると思っています。

 

単価の違い

上で説明したように原皮のランクに違いがあるので、それに比例してds単価が違います。 『NEBRASKA / ネブラスカ』のds単価が ¥145- (+税) なのに対して、『REVERSO / リベルソ』のds単価は ¥124- (+税) です。

ds単価で21円の差は結構大きいのではないでしょうか?

ただ、『REVERSO / リベルソ』を銀面を表にして使っていただく場合、キズなどを避けてパーツ取りをするとロスが増えることになるので、ds単価21円分の恩恵は期待しないでおいた方がいいと思います。 ここは実際に購入した革の銀面の状態と作り手さんのパーツの取り方次第なところはあるので、ds単価に惑わされないようお気をつけください。

 

面積の印字の場所の違い

もう耳にタコができていると思いますが、『REVERSO / リベルソ』は床面を表として使えるように仕立てた革です。 イタリアのタンナーは面積の印字を革の裏面に入れます。 『NEBRASKA / ネブラスカ』もそうですが、一般的な革は銀面を表として使うので、裏となる床面に面積の印字が入っています。 が、『REVERSO / リベルソ』は銀面に面積の印字が入っています。 理由は…(もういいですよね ^ ^;)

この印字、避けてパーツ取りする作り手さんもいれば、作品のパーツに取り入れる作り手さんもいて、その理由にも作り手さんのこだわりがあって、とても興味深いです (^ ^)

 

まとめ

一言で言うと、『REVERSO / リベルソ』は個性的な革です。

いろいろ惹かれる要素はあると思います。 なかなか言葉で説明するのは難しいのですが、革の質感も独特で実際に触っていただけたら「あ、この革いいな」って思ってもらえると思います。 その上リーズナブルな訳ですから、「最高やん」ってなると思うのですが、比較的キズが多いと言うデメリットがあります。 もし、『REVERSO / リベルソ』に興味を持ってもらった場合は、そのことをご理解いただいた上でご検討いただけたら嬉しいです。

 

お試し用にA4サイズ、A3サイズもありますし、レザースワッチ(カット見本)もご用意しています。

A4カットレザー『REVERSO / リベルソ』

 

A3カットレザー『REVERSO / リベルソ』

 

レザースワッチ『REVERSO / リベルソ』

 

個人的には、“キズも革らしさの一部”と思っているので、メリット・デメリットを理解した上で、『REVERSO / リベルソ』を選んでくれる作り手さんが増えたら嬉しいなと思っています。

 

長々とお付き合いいただいてありがとうございました m(_ _)m

次は何を書こうかな…

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